魅せられたる魂　　　ロマン・ロラン

ロマン・ロラン

（Romain Rolland、1866年1月29日 - 1944年12月30日）は、フランスの、理想主義的ヒューマニズム - 平和主義 - 反ファシズムの作家。戦争反対を世界に叫び続け、国際的に多くの知友を持った。

魅せられたる魂

主人公アンネット・リヴェエールの成長を描いた長編小説。アンネットが、人生において多くの経験を積み重ね、その中から新たに生まれ出づる人間として人生、 困難に立ち向かっていくというストーリィの大筋は、「ジャン・クリストフ」と同様である。

心に触れる言集

金銭を寄生物のように軽蔑する内面生活の理想主義というものは、自ら金銭を放棄した時だけ権利を持つということを忘れる。

　　　　　　　　　　

もし世の中の人の苦しみにいちいち足をとめていた日には、人は生きて行かれないだろう。どんな幸福も、他人の苦悩を食って生きているのだ。

　　　　　　　　　　

勇気とは、従来経験したことのない自分の力なり弱さなりを計りうる状態になってから、学べるのである。

　　　　　　　　　　

あたしは自分のマルクを、危険を冒すようにつくりました。しかしあたしは彼を抵抗ができるようにつくりました。

　　　　　　　　　　

不断に変化する世界においては、変化しない真理は虚偽である。真実なのは現実である。誠実の第一の法則は、 その現実を正確に観察することであり、それから批判と行動をなすべき率直な、男性的な具体的な規則を誘導することである。

　　　　　　　　　　

芸術と信仰、純粋な思想、自然などは大きな森のかげや泉のようなもので、疲れた魂がそこに来て身を休め、水を飲むのである。しかし誰もそこに閉じこもる権利はない。生命はあるのだ、人間の苦しみと
彼らの闘いのあるところに、太陽と突風の下に。